第一種の過誤(αエラー)と第二の過誤(βエラー)のわかりやすい説明

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わかりやすいたとえを用いて統計学を身近に感じてもらいたい。ということで今回も誤解を恐れずに統計用語を解説してみます。

これまでオッズ比有意水準について解説してきましたが、今回は第一種の過誤(αエラー)と第二種の過誤(βエラー)の関係について解説したいと思います。

第一種の過誤(αエラー)とは

αエラーについてはこちらの記事で解説したとおり、誤って帰無仮説を棄却してしまうエラーのことです。わかりやすい例に、誤認逮捕(冤罪)が挙げられます。

第二種の過誤(βエラー)とは

第二種の過誤とは、対立仮説が正しいのに誤って帰無仮説を採用してしまうエラーのことです。

いやぁ、さっぱりわからないですよね?(笑)まずは帰無仮説から復習しましょう。

帰無仮説とはあってほしくない仮説のこと

帰無仮説とは無に帰したい仮説、すなわち、あってほしくない仮説のことです。あってほしくない仮説とは、薬の有効性を検証する検定では、薬を投与した群と投与していない群に差がないということです。

対立仮説はあって欲しい仮説のこと

対立仮説とは、その名の通り帰無仮説と対立関係にある仮説、すなわち、あって欲しい仮説になります。

統計検定は、一般的に、帰無仮説を棄却することで対立仮説を証明するという背理法的な手順を踏みます。

ここまでの話をまとめます。

帰無仮説とは、あってほしくない仮説のこと。対立仮説とは、あってほしい仮説のこと。検定の結果、帰無仮説を棄却することができれば対立仮説の正しさが証明される

やっと帰無仮説と対立仮説の関係がわかったところで、第二種の過誤(βエラー)の説明にうつりましょう。

第二種の過誤(βエラー)とは真犯人取り逃がしのこと


第二種の過誤(βエラー)とは、対立仮説が正しいのに誤って帰無仮説を採用してしまうエラーのことでした。

薬の試験を例に挙げると、本当は薬が有効(対立仮説)なのに、誤って有効でない(帰無仮説)と判断してしまうのがβエラーです。

警察の例でいうと、誤認逮捕(冤罪)がαエラー、真犯人を取り逃がすことがβエラーに該当します。

第一種の過誤(αエラー)と第二種の過誤(βエラー)の関係

第二種の過誤(βエラー)が真犯人の取り逃がしだったのに対して、第一種の過誤(αエラー)は誤認逮捕のことでした。

このようにαエラーとβエラーを合わせて理解すると全体像が見えてきます。実際にαエラーとβエラーの関係を表にすると下記のようになります。

検定結果
正しい 誤り
事実 正しい βエラー(真犯人取り逃がし)
誤り αエラー(誤認逮捕)

αエラーは、あわてん坊のエラー・偽陽性・誤認逮捕・冤罪のことです。いっぽうβエラーは、ぼんやりもののエラー・偽陰性・真犯人取り逃がしのことです。

このように整理すると、一気に理解が深まりますね。

エラーを回避するには

αエラーは誤認逮捕(冤罪)、βエラーは真犯人取り逃がしのことで、どちらもゼロにすることは原理的に不可能です。これらはトレードオフの関係にあり、ある程度のエラーは許容しなければなりません。ちなみにαエラーをどこまで許容するのかという基準が有意水準です。

薬の有効性を検証する仮説検定では、有意水準0.05で帰無仮説を棄却するのが一般的です(100回中5回αエラーが起こらなければよしとします)。

一方ドーピング検査などでは、αエラーの起こる確率が限りなくゼロになるように調整されます(βエラーが起こることはある程度許容する)。これは誤ってドーピングの疑いをかけてしまうと、その選手のアスリート生命を断つとことにつながり、誰もこの責任を負えないからです。

こういった事情からαエラーの許容値(有意水準)が比較的高くなり、検査をパスできる可能性が高まることから、ドーピング利用が後を絶たないわけです。

このへんの話は以下の本に詳しいので気になる方は是非ご一読ください。

まとめ

  • 第一種の過誤(αエラー)は、偽陽性、あわてんぼうのエラー、誤認逮捕(冤罪)のこと。
  • 第二種の過誤(βエラー)は、偽陰性、ぼんやりもののエラー、真犯人取り逃がしのことです。
  • αエラーとβエラーはトレードオフで、どちらもゼロにすることは原理的に不可能。

ご参考になれば幸いです。

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