数式なしでインデックス投資誕生について解説します。

スポンサーリンク

インデックス投資は「最も経済学的に正しい」手法であると言われていますが、インデックス投資が歴史的にどのようにしてその正当性を確立してきたのかについてはあまり知られていません。

そこで今回は、現代ポートフォリオ理論の構築に寄与した3人のノーベル経済学者と共に、インデックス投資の合理性を説明する「現代ポートフォリオ理論」についてまとめてみました。

分散投資の始まり

株価はランダムウォーク

1952年、シカゴ大学の大学生マーコウィッツは、株価の上下変動は、水に浮かんだ花粉の微粒子と同じ「ブラウン運動(ランダムウォーク)」だとの仮説に基づき、株価の動きを確率論や統計学の手法を用いて記述することを試みました(効率的市場仮説)。

株価の変動=リスク+期待リターン

誤解を恐れずに記述すると、マーコウィッツは株価の変動を次の式で表そうと試みました。

株価変動 = リスク(ランダムな動き)+ 期待リターン(トレンド)

この等式の中で、マーゴウィッツは、リスクを打ち消しあう銘柄を組み合わせることで、期待リターンを高く維持した最適な組み合わせができると主張しました。つまり、短期的な視点で見ると株価が上昇する銘柄もあるし下落する銘柄もあるのだから、それらに分散して投資すれば、株価のランダムな動き(リスク)は相殺されて、期待リターンの分だけ利益を得ることができる、とマーコウィッツは考えたのです。

これがモダンポートフォリオ理論の始まりです。なお、最適なポートフォリオは数学的に求めることが可能です。以下のようなサイトでシミュレーションしてみるのもいいでしょう。

ポートフォリオ・アナライザー

リスクを最小に抑えた最適なポートフォリオは、横軸にポートフォリオの標準偏差、縦軸に期待リターンをとったグラフを考えた時(下図)、効率的フロンティア(Efficient frontier)上にくることが知られています。

モダンポートフォリオ理論における最小分散フロンティアと効率的フロンティア

モダンポートフォリオ理論における最小分散フロンティアと効率的フロンティア出典: Wikipedia

銘柄の比重によってリスクをコントロール

こうして投資家たちは、複数の銘柄に分散投資して、リスク許容度に応じて銘柄の比重を変えるようになりました。

例:
若い投資家はIT銘柄の比重を高め、年金生活者は電力株の比重を高める

国債をポートフォリオに組み込む

しばらくすると、イェール大学で経済学を教えていたジェームズ・トービンは「大事なのは銘柄ではなく、株式と国債(無リスク資産)を組み合わせる事だ」と主張をしました(効率的ポートフォリオ)。

ここで登場した国債って株式とは何が違うのでしょうか。

リスク資産と無リスク資産

金融商品は債券と株式の二つに大別されます。このうち債券は、元本保証で償還まで金利を受け取ることができる「無リスク資産」として位置付けられます。代表的な債券には「国債」が挙げられ、国債は国家財政破綻(デフォルト)しない限りは安全な金融商品であるといわれています。

一方の株式は、元本保証ではないけれども、そのぶん利率が金利よりも高く設定された「リスク資産」に該当します。

一般的にリスク資産と無リスク資産には次の関係が成り立っています。

リスク資産の期待リターン= 無リスク資産の期待リターン + リスクプレミアム

「リスクプレミアム」とはリスク資産の期待リターンと無リスク資産の期待リターンの差分で、元本保証されないぶん(リスクをとったぶん)の対価であると考えることができます。

目安として、無リスク資産の期待リターンは2%、リスク資産の期待7%、したがってリスクプレミアムは5%程度が歴史的にも妥当だといわれています。

つまり、トービンは株式(リスク資産)に国債(無リスク資産)を組み合わせ、あとはリスク選考度に応じて自分の好きなポートフォリオを組めば良いと提案したのです。

組み込む国債の割合によってリスクをコントロール

こうして投資家たちは、リスク許容度に応じて株式と国債の割合を変えるようになりました。

例:
若い投資家は株式の保有比率を高め、年金生活者は国債の割合を高める。

国際分散投資(世界の縮小コピー)

ウィリアム・F・シャープは、ある株の値動きは

1.銘柄固有の動きα(切片)
2.市場感応度β(傾き)
3.予測不可能な出来事

の3つの組み合わせであると主張しました(資本資産価格モデル:CAPM(キャップエム)。分散投資は3の「予測不可能な出来事」を消し去る効果があり、1の「α(切片)」は一定であるから保有するポートフォリオのリターンは最終的にβで決定される事になると考えました(ベータ革命)。

そして、シャープは効率的ポートフォリオは「世界の株式市場の縮小コピーである」と結論付けたのです。

世界市場の縮小コピーのポートフォリオをつくる

こうして投資家たちは、各国の市場のインデックスを時価総額に応じて投資をするようになりました。

例:
米国株インデックス50%、日本、ロンドン、ヨーロッパ市場のインデックスが各15%、その他の国のインデックスが5%)。

さいごに

これまであまり理論を勉強せずにインデックス投資を実践してきました。それでも簡単に始められるし成果が出てしまうのがインデックス投資なのですが。

理論と実践のバランスをとりながら本ブログで紹介していきたいと思います。

スポンサーリンク

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です